『難病と闘う小さな少女 ~二平方メートルの世界で~』


札幌に住む小学5年生の前田海音さん。3歳のころ限局性皮質異形成という脳神経の難病を発症しました。入院中、海音さんはベッドに横になった時にテーブルの裏に書かれたメッセージを見つけます。そこに書かれていたのは、これまでに同じ病室で入院してきた、顔も名前も知らない子どもたちの励まし合う言葉でした。「見つけたなら伝えないと意味がないな」。そう思った海音さんは、この出来事を伝えたいと一気に作文を書きあげます。その作品が去年、全国の小中学生を対象とした “子どもノンフィクション文学賞 小学生の部” で大賞に選ばれ、さらに出版社の目に留まり絵本になりました。絵本のタイトルは『二平方メートルの世界で』。「もちろんいろいろな人に読んでほしいけど、子どもも大人も病気がある人もない人も関係なく、生きている人全員に読んでほしい」と海音さんは話します。難病と闘う海音さんのことばは、一つ一つ重みがあり、読む人の心にまっすぐに響きます。

2021年8月21日放送